半透明の欲望

BLゲームの感想メインに徒然綴る。

DRAMAtical Murder 感想

フルコンしました!卒論やら内定者課題やら資格試験やらですんげ~~チマチマ進めてたけどようやく、ようやくフルコンしました!!楽しかった!!
キャラクターごとの感想をつらつら書いていこうと思いますが、その前にまずはあらすじを。


■あらすじ
今よりずっと先の未来。日本列島の南西に位置する碧島。かつてそこは自然と人々が共存する豊かな島であった。
しかし日本有数の財閥の1つである「東江財閥」によって買い上げられ、島の約3分の1が豪華な会員制娯楽施設「プラチナ・ジェイル」へと姿を変えた。最新鋭の設備を備えた「プラチナ・ジェイル」が注目を集める一方、強引な開発の犠牲となった島民たちは「旧住民区」に追いやられ、決して裕福とは言えないその場所での生活を余儀なくされていた。
主人公・蒼葉はその旧住民区にあるジャンクショップ「平凡」でのアルバイトに日々を費やし、祖母のタエと二人で暮らしていた。
旧住民区の若者たちの間では、とあるゲームが流行していた。かたやチームを作り、肉弾戦での縄張り争いを日々繰り広げる「リブスティーズ」と、かたや仮想世界を舞台にした電脳オンラインゲーム「ライム」に熱狂する「ライマー」。だが、蒼葉はそのどちらにも興味を示すことなく、ただ婆ちゃんとのんびり暮らせればそれでいいと思っていた。
しかし、平穏な日々を揺るがす異変は確実に起こりはじめていた――。
公式HPより)

世界観の作りこみはさすがのニトロクオリティ。ゲーム構成が緻密に練られていて、大量に張られた伏線が綺麗に回収されていくのがとても楽しかったです。アニメみたいに動くところも沢山あって、本気で作ってんな~というのがビシビシ伝わってきました。
 本記事では、各ルートの感想をつらつら書き連ねていきます。
 ※乱文&ネタバレ満載のため、未プレイの方の閲覧非推奨。

 

 

 

 

紅雀
 紅雀ルートにおける個人的ハイライトは2つ。
 まずはなんといってもショタスチルです。ショタコンは不意打ちショタ攻撃に弱いのです。闇属性のモンスターが光属性の必殺奥義を食らうようなものです。闇属性モンスター、もとい、重度のショタコンのわたしは突如表示されたショタ蒼葉&紅雀くんに「デュフ…」とうめき声を漏らしました。蒼葉のほうがちょっと幼いのもポイント高いです。紅雀のお兄ちゃん感と蒼葉のあまえんぼ感がたまりません……。
 それと、このスチルで「紅雀が蒼葉を支えてあげていた」という印象をつけておきながら、あとのシーンで「蒼葉こそが紅雀を支え、生かしていた」と分かるのがもう、ほんとニクイ演出でした。刺青に蝕まれ家族殺しの罪を負った紅雀でしたが、彼をこの世につなぎとめたのは蒼葉への想いだったのです。尊い
 もう一つのハイライトはBADEND。蒼葉の身体が暴露蒼葉にのっとられ、紅雀は刺青に飲み込まれてしまう最悪ENDです。理性を吹っ飛ばした2人のセックスは、本能だけで生きる獣じみたすさまじさがありました。このトチ狂った闇展開、めちゃくちゃおいしかったです。
 ちなみにGOODENDのほうはというと、終わり方そのものはまぁ普通かなって感じです。それよりENDに向かう途中の演出が好きでした。蒼葉が「いいよ」って畳みかけるシーンがあるんですが、じれったくてエンターキーを連打していたらバグった映像データみたいになって「やられた…!」と思いました。プレイヤーの動作までも演出に組み込むなんて、マジニトロクオリティ。

※オマケ 竜峰
紅雀ルートに登場する、狂った刺青師・竜峰。彼まわりの設定は谷崎潤一郎の「刺青」をフィーチャーしていると思います。刺青によって人格が変わってしまったり、理想とする人間に刺青を掘りたい衝動があったりとか。
このゲームのテーマの一つは「善悪の揺らぎ」――「善」と「悪」は確定的基準で定められないこと――だと思っているのですが、谷崎が描くのも悪事めいた行為の美しさです。
谷崎大好きオタクとしては、竜峰の思想に興奮するばかりでした。


●ノイズ
 全っ然かわいくね~!と思ってたのにいつの間にか好きになってました(ボブゲあるある)。生まれつき痛覚がなく、それゆえに他人との距離が測れず孤独に生きてきたノイズ。彼がライムを始めたのは痛みを知るためでした。これ、個人的な解釈なんですが、痛みを知りたいという欲求は、それによって誰かと関わり、誰かとともに生きたいという欲求にも繋がっていたと思うのです。ノイズの痛覚の欠如による一番のデメリットは「孤独」ですから。
 けれどノイズはライムでも一人で戦ってきました。それは、彼が「心の痛覚」をも鈍らせてしまっていたからではないかと思うのです。痛覚を知らずに世界から分断されてしまったために、自分の殻に閉じこもり、外界から向けられる刃に傷つかないようにしてきたから。
 ノイズは蒼葉に出会って変わりました。彼に殻を「壊して」もらい、痛みを知りました。同時に、痛みを癒す優しさを、人と関わる温かさを知りました。蒼葉によって開かれた彼の世界は、蒼葉によってさらに広がっていきます。「アンタのこれからのこと、俺が考えるから」。ノイズが蒼葉に言った言葉です。プロポーズかよ。末永く幸せに暮らしてください。
 あと、ノイズはBAD②がとても良かったですね。蒼葉がノイズの脳内に囚われたまま、変わらない日常は続いていく、いつまでも……からの「End?」のテロップ。不気味すぎて鳥肌が立ちました。


●ミンク
 あんまり私の琴線に触れないキャラクターでしたが、悲しい過去に切なくなりました。彼の一族が持つ「体臭によって人心操作をする」という特異な能力が東江に目を付けられ、彼の一族は皆殺しにされてしまいます。ミンクは東江を殺すために生きているのです。
 蒼葉がミンクの意識に介入した時、彼に巻き付いていた鎖は壊せませんでした。けれど、「種」として植え付けられた蒼葉の言葉がミンクの中で育って、それが少しずつ鎖をほどいていったのではないかと思うのです。
最初は蒼葉に対して辛辣だったけどね。すぐ暴力ふるうし。でも「お前のすべてで俺を覚えろ、俺を見るたびこの痛みを思い出せよ」というセリフがめちゃくちゃ性癖でした。痛みに別のイメージが付与されるみたいな、パブロフの犬的展開大好き。


●クリア
 ドラマダの推しは誰?と聞かれれば、わたしは迷わずクリアと叫びます。癒しキャラでめちゃくちゃかわいかった~。ガスマスクの下には美しいお顔。そしてその下には人工的に作られた機械……。かわいい~!!
一番良かったのは目玉が飛び出して今にも壊れそうなのに「人間らしくあなたに触れることはできましたか」と声を絞り出すシーンです。私ノーサンのマキルートでも思ったんですが、死ぬ間際のセックスが大好きなんですよね……。生物の本能がむき出しになっている感じがたまらない。クリアはAIですが、それでも生物として蒼葉に触れ、交わろうとしました。彼はまごうことなき人間です。人間の心をもった生き物です。それを証明してくれるシーンでした。
 いっぽう、クリアのBADは正直ちょっと苦手でした。基本的にどんなBADもおいしくいただく腐女子なのですが、四肢切断だけはどうしてもダメで……。酷い目に合うなら蒼葉よりクリアのが見たかったな、なんて。


●蓮
 ただのイケボワンチャンだとナメていたら隠しルートとして登場して噴き出しました。どうやってイッヌとセックスするねん、と心の中で突っ込みを入れざるを得なかったというか。
でも彼はわんちゃんではなく、蒼葉の中にいるひとつの人格でした。神学校の某ルートに構造が似ていますね。こういうのボブゲにはよくあるんでしょうか?私はてっきりセイ(蒼葉の双子のかたわれ)があちこちに飛ばした思念体の1つだと踏んでいました。だってそうじゃないとセイというキャラクターを設置する理由がないですから(脚本目線でプレイすな)。でも結局セイは最初から蓮の入れ物になるために作られたキャラクターだったんですね……。
 ……話がそれました。遺伝子操作された「デザイナーベビー(なんて気持ち悪い呼称!)」である蒼葉にとって、蓮は心のよりどころでした。蓮は蒼葉の一部だったけど、だからこそ蒼葉の一番近くで、彼のことを支えてきたのです。とはいえ自分(の一部)とセックスするのはどういう気持ちなんだろう?と考えなくはないですが、いわゆる二重人格者の話を聞く限り、まったく別の人格が一つのからだに宿っているらしいので、蓮は蓮としてひとりの男たりうるのだろうと思います。
 蓮は最終的にセイの身体になりました。この時の私は1人で大騒ぎ。「外観としては近親相姦じゃね?」と大興奮し、「いやいや中身は蓮だから違うよ」と冷静になり、「でも蓮はかつての蒼葉だから近親相姦以上に背徳的なのでは」と混乱し……。訳が分からないよ。
でも幸せならOKです。


※オマケ ウイルス・トリップ
 プレイする前は双子だと思ってました。違うんかい。そしてお前らがモルヒネの元締めなんかい。最高かよ。
 彼らに捕まって3Pに持ち込まれるルートめっちゃ好きでした。攻め2受け1の3Pってなんでこんなにおいしいんですかね?ウイルストリップルートもうちょっと沢山あっても良かったかなぁ、って思うくらい良いルートでした(分類的にはBADだけど)。


※オマケ 東江
 こいつはどうしてこんなにも人心操作がしたいんでしょうか。権力?名誉?いいえ、違います。彼はただ自分の信念を貫きたいだけ。自分の「信念」と、神が定めた「運命」を戦わせたいのです。
 備忘録的な感じで、彼が発見・発明した人心操作の方法をまとめておきます。

①暴露(スクラップ)
蒼葉の能力。自分の意識を相手の意識に介入させ、壊す。媒体は声。

②刺青
竜峰の能力。彫った相手の感情を増幅させ、意識を飲み込む。

③種を植え付ける
東江の能力。おそらく言葉によって、相手の意識や行動を操作する。暴露によって解除可能。(おそらくマインドコントロール

④薬草による体臭
ミンクの一族の能力。人を酔わせ、麻薬のように依存させる。

⑤光麻薬
セイの能力(視覚効果)を応用した技術。発光装置によって人を依存させる。

⑥染色音楽(ダイ・ミュージック)
聴いた人間の耳から脳へ浸透し、流した者の意思によって染め上げる。クリアが使用可能。

 ……このくらいかな。ところどころうろ覚えで書いてるので、漏れがあったり、間違ってたらすみません。


 以上!ニトロさん楽しい時間をありがとうございました。機会があれば、舞台の映像もいつか見てみたいなと思っています。
 次はドラマダのファンディスクをプレイします~!早くミズキを攻略したい(^^)

みらくるのーとん 感想

フルコンしました~!みらくるのーとん!

まさかTennenoujiデビューがみらくるのーとんになるとは思ってませんでした。たぶんラキドから入るのが正解だと思いますが、大正メビウスラインをフルコンして放心状態だったので、今度はアホゲーム(誉め言葉)をやろうと思った次第です。

結果、大正解でした。何も考えずにプレイできますので。兎に角エロの多い事!選択肢は初手からエロだし、開始10分で濡れ場にたどり着く有様。そらそうです、だってのーとんは「エロいお願い事だけかなえてくれるノート」ですからね。エロ見てナンボのゲームです。(エロが多すぎて濡れ場で寝落ちしまくったのはここだけの話)

 

ちなみに1ルートはかなり短めですが、その分ルート数が沢山あるので長く楽しめます。

エンドは全部で33通り。その中にいくつかの分岐もあるので、展開としてはもう少し多くなります。私はフルコンに一ヵ月半くらいかかりました。(途中放置してた期間があるのでたぶんかなりかかってる方だと思います)

 

以下、ネタバレ満載です。

 

 

 

 

 

 

 

キャラ別感想に入る前にまず言わせてくれ。

精液飛び散りすぎじゃない?wwwwwwww

めちゃくちゃ盛大に噴出するので射精のたびにげらげら笑ってました。あと尿もめっちゃ飛ぶ。ちんちんから出る液体は全部飛ぶ。これスチル書いた人もかなり楽しかっただろうなぁ。

 

ふぅ。

以下、キャラ別の感想です。

 

 

 

●緒方 明

ツンデレ流され受け。本ゲームは彼の総受けです。喘ぎ声がかわいい。

彼は「後ろ(アナル)でオナニーする」という発想がさらっと出てきたり、「SMをするなら自分がM側」となんの引っ掛かりもなく考えちゃったりする男の子なので、たぶんちょっとヤバイ奴です。のーとんに書いた内容はだいたい自分に返ってくるのに全然気づいてないし。危機管理能力どこに置いてきたの?www

でも基本的にはのーとんをはじめ周囲の人間に振り回されまくるので可哀想な気もします。このゲームのキャラは総じて理性がぶっとんでるので。性欲に忠実なので。すぐ明にエロ攻撃仕掛けるので……。

まぁエロ攻撃も明が本心から嫌がってなければ別に良いんですけどね!

 

ただダークルートは本当に酷かった。アホゲームとはいえやっぱりちゃんとバッドエンドもあるんですね。このルートで笑ったシーンはモブの「パケ代高いから早くしろよ」というセリフだけでした。死語wwww 明くん大変な時に笑ってごめんね。でもホラ、あのレイプ野郎たちは「只今増量中!」の某ルートで懲らしめられたから許してね。あれは良いルートでした。

 

 

 

●緒方 光輝

顔も頭も性格も良い、スリーコンボそろった完璧お兄ちゃん。

……という設定なんだけどサイコパスにしか見えない!!!

普段は優しいのにエロになると突然鬼畜(拘束とか蝋燭とか)なので、もう彼の笑顔が(暗黒微笑)にしか見えないのよ。あ、暗黒微笑も死語ですね。パケ代ニキのこと言えません。

 

光輝のエンドは印象的だったのが2つあります。

一つは彼が明に辱められるエンド。ようは攻め受け逆転です。やったー兄貴が受けた!!!ってもろ手を挙げて喜びました。たぶん私総受け苦手なんですよね。みんな受けになってほしいから……(その意味でも神学校はとても良いゲームでした)。もっとリバゲーム増えれば良いのに。

 

もうひとつ印象に残っているのは、トイレで(おそらく)輪姦されるエンド。壊れてしまった彼が「あきら…」と呟く、その表情が痛々しくて可哀想でかわいかったです。「自分が犠牲になっても明を守れてよかった」「明、愛しているよ」「明は自分を見捨てた」。いろんな感情がこめられたセリフだったなぁと思います。この時ばかりはサイコパス呼ばわりしたのを申し訳なく思いました。

でもしゃあないじゃん、サイコパスに見えるんだもん。

 

 

 

●下村 誠二

THEワンコ攻めのかわいい幼馴染!八重歯がチャームポイント。

誠二くんは個人的ダークホースでした。ぶっちゃけビジュアルはそんなに好きではなかったのですが、結果、一番萌えたのは彼のルートだったので。

誠二ルートはどれも明との関係性が良好なまま終わるのです。ほんとうに、どのルートでも。たとえば明が誠二に暴力を浴びせて血みどろ展開になっても、何年か後に関係を修復するのです。誠二がどれだけ明を大切に思っているかが伝わります。

そしてダークルートでも関係性は悪化しません。というか誠二が死んでしまうので悪化しようがないんですね……。誠二くんは光のボブゲたる「みらくるのーとん」における唯一の死にキャラです。アホゲームで人を殺すな!(まぁ私は胸糞展開が大好物なのでおいしくいただきましたが。)

 

ベストエンドでも彼らの関係性は最高でした。結婚ですよ、結婚!!!ファンディスク「願いを打ち込んで」では結婚式前夜のことまで描かれてます、ガチです、ガチ。明くん絶対幸せになれるだろうなぁ。

 

そして彼のベストエンドルートで私は泣きました。まさかこのゲームで泣くとは思わなかった……私、家族ネタにめっぽう弱いんですよね。義父に虐待されていた彼が母親のために我慢しているのが痛々しくて泣けました。誠二くんに明がいてよかった。2人で幸せになれて良かった。最後のスチルの笑顔がキラキラしててオバサン泣いちゃいました。

 

 

 

●斉藤 正臣

イケメンで喧嘩の強いクラスメイト。

私の目当ては彼でした。だってイケメンだから。彼の取り巻き女子たちの中にいます私。明との保健室いちゃこらを覗いて騒いでる女子たちの中にいます私。

個人的にはイケメンなのでできれば受けてほしかったのですが……。だからダークルートで明に攻められるエンド最高ですた。ありがとうございました。

 

真面目に書きます。ベストエンドで正臣が言った「一緒に旅をしよう」という言葉は、「親友であり恋人」という腐女子垂涎の関係性をそのまま表しているように思いました。なんだろう、一番「友達っぽさ」が抜けないエンドというか。正臣の悪ガキ感がそれを手伝っているのかもしれません。

ダークルートでも同じことが言えます。ダークルートで正臣は殺人を犯してしまうけど、これって「恋人」というより「高校の不良友達」っぽいなぁと。恋愛の甘さがかぎ取れないというか。まぁダークルートだから甘くないのは当たり前なんだけど……ほんま胸糞。私は胸糞展開が大好物なのでおいしくいただきましたが(二回目)。

 

ちなみに彼のルートでげらげら笑ったのはアレです、教室フェラ。なんで周りのクラスメイト気づかないの。正臣が飲み込んだとはいえ絶対精子の匂いするでしょ……。それとも明くんの精子は無臭の良い精子なのかな?(ニッコリ)

あと剃毛+見世物エンド。End14ですね。途中までイチャイチャしてたのに突然ホラーBGMが流れてきたので画面二度見しました。明くんはM気質で露出趣味があるので、モブ男たちに恥ずかしい姿をさらされオカズにされるのも快感なのでしょう。End15のおしっこエンドも然り。

あれ?いつのまにか明の話になってた……。

 

 

オマケ 純

正臣の友人(?)で、明の貞操を狙うウリ専の男の子。作中でもDQNを手なずけていました。どうやら彼と寝ると女の子を抱けなくなるという噂があるらしい……怖っ!

実は彼が本ゲームで一番強い説を提唱しています私。他ルートでも出てきてほしかったなぁ。正臣と明との3Pエンド結構好きでした。

 

 

 

●のーとん

テメ~~~~!!!ノートのくせに顔が良いぞ!!!増量中ルートに入ったら突然イケメンになりやがって……。大好きだぞ!!!

異世界ルートに入った瞬間イケボになるの本当に草でした。いやまぁあのイケメンにノート形態のーとんの声でしゃべられたらそれはそれで腹筋われちゃうんですけど。この人はとことんネタ要員だなぁ……。ノート形態のーとんにおっぱいがつくシーンとかもう抱腹絶倒(深夜に酒飲みながらおっぱいのついたノートを見て爆笑してる女ってどんなホラーですか)。

と思ったら、意外とイケメン要素もあってなかなか乙なキャラクターでした。わんこ攻め感のあるかわいいイケメンでしたね。まるごとボックスのパッケージもイケメン版のーとんだし、BLゲームの顔としての役割をきっちり果たしてる感じ。

とはいえおっぱいスチルが面白すぎてもうそれしか記憶にないwwwおっぱいノートwwww

 

 

●五井

正直あんまり印象に残ってない(失礼)。

ていうか、なんで囲碁のノートなんてマニアックなものがあるんでしょうね?明は「エロ専用ノートなんて使えねぇ」みたいなこと言ってましたが、個人的には囲碁のノートのが使えないだろという感じです。拾う人が拾えば有益なのかな?() あえて彼を攻略キャラに加えた製作陣、どういう意図があったのかちょっと気になります。

それはさておき。彼のルートで一番エモかったのは五井&のーとんルートのキュウリです。明のお尻にきゅうり刺さってて笑いました。私もBL歴がそこそこ長くなってきたのでア〇ルにはいろんなモンを刺してきたきたんですが、きゅうりは意外と初体験でした。BLってなんで野菜差したがるんだろうね?尿道にアスパラ刺さってんの見たことあるし、潤滑油にオリーブオイル使いがちだし、セックスじゃなくて料理してんじゃないのと突っ込みたくなることがあります。

 

 

 

●響

明が切望した「勉強のノート」で、のーとんと明の関係に水を差そうとする拗らせイケメンです。

正直のーとんが好きなので響はちょいウザだったのですが、彼のおかれた環境を知ったらそうでもなくなりました。響が存在する=勉強をしなくても成績があがる人間が存在するという構図は、響自身の「勉強は努力して実らせるものだ」という価値観と相いれませんでした。つまり、彼は自分の価値観によって自分の存在意義を否定され続けているのです。これって結構残酷なことで、案の定彼の性格は次第にねじ曲がっていくことに……。

のーとんの邪魔をしていたのはきっとそれゆえです。要するに、響は自堕落な契約者との関係性に辟易していたから、のーとんと契約者のフランクな関係性を羨んだのでしょう。そう思うとちょっとかわいく思えてくるような気もしなくもなくもなくもなくもない(どっち?)

 

 

 

オマケ ノノ

のーとんに恋するぶりっこ巨乳ロリ少女(少女とは言ってない)。

彼女の鼻にかかった声が苦手だった私ですが、おっぱいが落ちて性別が判明してから好きになりました() 男の娘ってなんでこんなに可愛いんですか?!さすが性癖つめつめゲーム「みらくるのーとん」。死角がありません!

 

 

 

 

ちなみに私がプレイしたのは「みらくるのーとん まるごとBOX」。

内容は、無印みらくるのーとん(2006年発売)、ルートが多数追加されたバージョンアップ版「みらくるのーとん 只今増量中!」(2007年発売)、ファンディスク「みらくるのーとん 願いを打ち込んで!」(2008年発売)をすべて詰め込んだお得パッケージです。開けたらディスクが2枚しか入ってなくて首をかしげましたが、無印と増量中は1枚に入ってました。

Win10で問題なく動作したので、今から始める方にはまるごとBOXがおすすめです。

 

こんなところまで読んでくれてありがとうございました。読んでくれた人いるかな……。

次はドラマティカルマーダーをプレイいたします。それでは。

 

大正メビウスライン 感想

面白かった~~~~~~!!!!!

 

重厚なストーリー!

萌えのカウンターパンチ!

フルボリュームのシナリオ!

 

こんなものを生み出した中条ローザさんにスライディング感謝土下座したいです。

 

どこぞのインタビューで「一体いつになったら終わるのかと思った」と語っていたそうですが、なんと文庫本9冊分あるらしいですよ!?

私なんて就職活動のかたわらでチマチマ進めたからフルコンに2カ月以上かかりました(時雨ルートコンプ直後に内定出ました。私の就活の思い出はメビライとともにあります)。

 

 

■ストーリー

 

時は大正末期。日本が軍事国家として世界と争わねばらならない、熾烈な時代。主人公・柊京一郎は帝国大学へ進学する為、帝都へと上京する。勉学に邁進し、郷里のためにひとがどの人物になると決意していた京一郎はしかし、己が持つ特別な力のために軍部―大日本帝国陸軍―に目を付けられることになる。

死んだ人間――資料が見えるようになったのは大病を患った幼少期、その時からずっと京一郎にとって恐怖の太陽でしかなかった死霊を、軍部は外国の脅威に対抗するための力として用いようとしていた。(公式サイトより)

 

lovedelivery.biz

 

きらびやかな文化がいろどる大正浪漫と、その影でうごめく死霊たち。「日本の明るい未来を信じた国民」と「血と泥にまみれた戦争の闇」を感じずにはいられませんでした。

フィクション作品であることは百も承知ですが、実在した固有名詞がこれでもかと登場するので、私はやっぱり過去の日本を重ねてしまいました。本当に世界観がしっかりしていて、この時代の社会情勢と、その中での日本の位置づけを反映していて。

 

脚本を担当された中条ローザ先生はもともと博識なんだろうと思いますが、これを書くにあたってかなり勉強されたんじゃないかと思います。

 

う~~ん、あっぱれというほかありません。

 

 

以下、ネタバレ満載です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■京一郎

 

京一郎はザ・優等生。父と母の言うことをよく聞き、常に「正しさとは何か」を熟考するようなまっすぐな青年です。郷里と国のために人生をささげようという思いに少しも曇りがなくて、あ~この時代の優等生はこんな感じだったんだろうなと思いました。

 

だからてっきり洗脳されやすいタイプかと思ったんですが、物腰柔らかそうに見えて「絶対に譲れない一線」をしっかり持っている日本男児でした。なかなか強情でこだわりが強く、一本芯の通った好青年です。

なんつーか、クラスの女子に「彼氏じゃなくて結婚相手タイプ」とか言われちゃうタイプ。

 

ノブレスオブリージュっていう信念はあまり好きじゃないけどね。それはきっと私が現代人だからなのでしょう。

そもそもこの指針があるからこそ、京一郎は術式作戦に嫌悪感を抱いたのだと思います。死んでしまった者たち、いわば弱者を踏みにじることになるから。

千家ルートの彼はたぶんそれを忘れてしまった。「ノブレスオブリージュ」を説いた父親と縁を切っているのがその証拠です。

 

まぁ。優等生タイプとはいえ、彼もボブゲの主人公。「官能なんて興味ありませ~ん」みたいな顔しといてめっちゃエロいです。育ちがいいくせに夜になると乱れ狂うんですね。館林ルートでははじめてなのにお尻でイッてたし。エロ~~~。

あと喘ぎもめちゃくちゃエロかった……。ほんとに泣きながらセックスしてるみたいだった。あれどうやって発声してんだろ。

 

ところで私、主人公総受け作品をはじめてプレイしたんですよね。だから京一郎が常に受けてるのがどうにも新鮮でした。総受けだということを知らずに買ったので、最初にプレイした時雨ルートではてっきり京一郎が攻めだと思っていました。若干逆カプ起こして死にかけた()

 

 

■時雨

 

受けてほしかったキャラクターNo.1は時雨です。跳ねっ返りかと思ったらしっかり者で、一方で甘えん坊な一面もあって、と思ったら世話焼きで……くるくるいろんな表情を見せてくれる時雨が愛おしくて仕方なかったです。

サイダァ貢ぎたい。

 

化物と呼ばれ、疎まれ、自分など産まれてこなければよかったと己を呪った少年。それが時雨でした。ただ土砂に埋まった自分の仲間を救いたかっただけだったのに。彼に救われたはずの命は、彼の心を殺しました。自分のせいで家族が村八分にあって、時雨はどれだけ苦しんだでしょう。愛する者たちが、愛する者たちを排除して……。彼の心はどこに行くこともできなかったと思います。

だから彼は五本刀衆にたどり着いた。

 

私、ここまででももう涙でぐしょぐしょだったのです。でも彼の運命はもっとおぞましく歪なものでした。時雨がすべてを捨ててまで守った肉親は、五本刀によって全員殺されていたから。

 

時雨ははじめから八方塞がりだったのかと、私まで絶望の淵に立たされたようでした。

村にいても、家を出ても、五本刀に居場所を見出しても。どうしたって彼には血なまぐさい運命がつきまとった。じゃあ彼はどうすれば良かったの!?誰も死なない未来はなかったの!?なんて思ってしまいました。

「やっぱり俺は疫病神だったのかな」ってつぶやいた彼が痛々しくて涙が止まりませんでした。

 

あのね時雨って、まだかなり若いはずなんです。20代前半かな。たぶん私と同い年くらい。それで暗い過去を乗り越え、連綿と続いてきた五本刀の命運を任されているわけです。あ~もう、彼の肩にどれだけの重荷を載せたら気が済むんですか!!!(;_;)

 

だからこそ京一郎との愛がとても尊いものに見えました。時雨は閉鎖的なコミュニティで生きてきたので、京一郎と出会えて救われたんだと思います。外の世界の人間で、そしてこれ以上なく愛おしい京一郎だからこそ、彼は頭領としての仮面を脱ぎ捨てて甘えられるのです。

甘える時雨めちゃくちゃかわいかったですよね。京一郎と幸せになってね。

 

あ、そういえば余談ですが京都に行った折、伏見稲荷神社を訪れました。根の路にいるような錯覚を覚えられるので最高でした……。おすすめです。

 

 

■館林

 

寡黙ながら誰よりも情に厚い男、館林開。部下への思いが深すぎて腹を切って死ぬエンドもあり、その気高く誇り高き精神に心酔し続けてました。

(てかあのエンドびっくりしませんでした?ちゃんと皇后は死んだのに突然切腹BADに転落したので私までショック死しました。世界は幸せになったのに、館林と京一郎だけが愛を失った。つらい……)

 

まぁBADの話はおいといて。

館林GOODの何がいいって、軍部の上司・部下関係になるのがいいですよね!!千家ルートみたいに周囲から疎まれることもなく、まっとうな軍人としての上下関係。

軍人最高!!

 

このルートの2人は戦後も幸せな老後を過ごしそうな気がする。なんていうか、「幸せになりそう」感がすごい。千家見た後だとよりそう思う。エンドロール手前のキススチルが最高すぎてベッドでのたうっちゃった。

軍服最高!!

 

あとセックスシーンもマジで最高だった。初夜の弱った舘林がかわいくて可哀想でたまらなかった……。

とかいいつつちゃんと男になってたけどね。最初はヤメロって言ってるくせに途中から騎乗位京一郎を下からガンガン突く始末。あ~エロい。

 

私はワイン飲みながら鑑賞したので、酔っ払い同士どっか共鳴してたのも楽しかった一因かも。館林様ってめちゃくちゃアルコール強いですよね。いい酒もたくさん飲んで舌が肥えてそう。京一郎にお酒の指南とかしてあげてるのかなぁ……カワイイ~!!!

 

 

■館林隊のみなさん

 

みんな大好き館林隊。

ひとりひとりにドラマがありすぎてサブキャラと切り捨てるのがもったいないくらいでした。

 

 

▷伊勢兄弟

 

生れ落ちた瞬間から疎まれ、忌み子だと殺されかけ、名前を奪われ、そして薫は一度死に……。たった2人で慰め合いながら生きてきた双子。

 

彼らはどれだけ苦しんだんでしょう。特に、薫。死霊であるがゆえに、自分を助けてくれた館林に矛盾を抱かせてしまう。馨という最愛の兄を苦しませてしまう。自分は間違った存在なんじゃないかって、きっと自問を繰り返していたでしょう。

 

だから薫は死にました。館林GOODで薫が言った「僕は死んで真に生きる」という言葉が印象的で忘れられません。命を絶つことで、自身の生を全うする。裏を返せば、薫は死霊として存在している自分を「生きているもの」と思っていなかったわけです。京一郎が伊勢兄弟に蹂躙されるBADで彼は「ほら、身体なんて簡単」って言っていたけれど、そこに正しい死生観は反映されていませんでした。

(蛇足ですがあのエンドは最高でした。血と精液が混ざったピンク色を「はらわたの色に似ている」と形容すんの美しすぎて泣いた。)

 

生死の境を見失いながら、それでも彼らは生をまっとうしました。兄のこころと、弟のからだ。腐って崩れそうな互いを、かろうじて支え合って生きてきたのです。

 

だから彼らはきっとまた双子として生まれ変わり、睦まじく幸せな人生を送ります。私は信じてる。

 

 

▷雄真

 

彼に泣かされるとは思っていませんでした。

時雨ルートで光とともに消えていくシーンがあまりにも美しくて、画面の前で過呼吸になりました。ああ、思い出すだけで涙が……(泣)

 

雄真が五本刀衆から離れる原因となった事件、あれって皇后の仕業だったんですよね。ゆるすまじ皇后(でも皇后も好きです後述します)。

 

 

▷時任

 

灯子さん~~~~!!!大好きすぎます……。

わたしは強い女が大好きなので、夫を失っても気丈にふるまい、軍人として戦いに身を投じる彼女に惚れてしまいました。館林のBADで、魂のない夫の身体を召還したときの時任なんてもう…ッ。あの強靭な精神力、いったいどこで培ったんでしょう。彼女に育てられた子供の将来が楽しみです。

 

 

■千家

 

ネェ~~~もう無理(泣)

千家伊織という名前だけで涙が出る(泣)

 

たぶん私は千家伊織と出会うためにメビライを手に取ったのでしょう。感情が爆発した。これまで10年くらいオタクやってきて一番キャラ萌えしたといっても過言ではない。長髪キャラもドSキャラも別にそんなに好きじゃないのにね……。大好きすぎて無理(泣)

 

そもそも四ツ谷サイダー氏の人を馬鹿にしたような声が大好きなんですよ。エロすぎ。18禁の醍醐味ここにあり……。

 

さて。誰もが「魔王だ」「悪魔だ」と恐れる千家伊織。容姿端麗、眉目秀麗、頭脳明晰、完全無欠。そんなイメージでしょうか。ともかくラスボス感満載の登場でした。綺麗だけどだからこそ怖かったです最初は。

 

でも彼の生い立ちを知るにつれて次第に惹かれていきました。強く気高く美しい男が虐げられ苦しんでいるのが大好きなんですよね私。

 

あのね、きっと彼は術式作戦を扇動することでしか生き残ることができなかったのです。幼いころに呪詛体とされ、身体を引き裂かれるような苦しみに耐えて生きてきたわけですが、千家以外の呪詛体は全員気がくるって死んでいます。彼が生き残れたのは、きっと感情をも捨て去ったからでしょう。

 

彼はすべてを捨てて皇后に尽くしてきた。そう、全て。家族も、未来も、感情も。なにもかも。

 

たとえ皇后の思惑が「護国」でなく「エゴ」だと分かっても、彼は自分の道を天命だと信じるほか、生き残る術が残っていません。だってすべてを捨てた彼はもはや一本の道しか選べないから。

 

もちろん、彼の所業は到底許すことのできないものです。他ルートでは完全に悪役だし。千家ルートでも時雨を殺してるし(怒)

あと彼のやりかたは洗脳に似ています。京一郎を手中におさめようと血を交えてセックスし、苦しみを与えて自分しか見えないようにする。BGMもセックスシーンとは思えないまがまがしいものでした。

 

そうはいっても、彼がこれほどまでにたやすく人を殺して回れるのは、幼いころ親族が次々呪い殺されたからだと思っています。彼は死への恐怖を次第に失った。そして呪詛を受けながら自分が生きているのか死んでいるのかすら分からなくなっていった。

 

彼にとって死とは隣人なのです。

ああ、可哀想な伊織……。

 

さて、そんな二面性を持った彼にはGOODENDが存在しません。そらそうだろうよ。そもそも時雨が死んだ時点で千家ルートに救いなどないのです。

 

あるのはメリバエンドが4つ。一つずつ見ていきます。

 

END1

京一郎が千家の片腕となり、2人で術式作戦を遂行するエンド。私はこれが一番好きです。FDもこのルートの延長でしたね。

「落日の海に勝利の旗をあげる」と自嘲気味につぶやいた千家は、矛盾を抱えたまま進む自分たちを嘲ったに違いありません。

彼らはきっと救われません。行きつく先は必ず地獄です。日本が勝っても世界から悪鬼と憎まれ、負ければそれに加えて軍事裁判にかけられ惨い死を迎えるでしょう。

それでも2人、痛みと官能を「傷」を媒介にして分け合って、ひたすら前へ進んでいる。2人は幸せ……なのでしょう。たとえそれが一時のものであるとしても。

千家に完全なる幸せは絶対に訪れえないのですから。

 

END2

ごめん。途中まで心中エンドだと思っててごめん。千家が皇后を殺し、京一郎も死に、黄泉路で共闘するエンドです。

めちゃくちゃかっこよかった。このルートの最高ポイントは、千家が「京一郎の虜になった」と自分で認めるシーンです。皇后に向かって啖呵を切るシーンですね。

そも千家には仲間がいません。時雨には臣が、館林には館林隊がいたのに、千家には心を通わせる相手がいません。そもそも彼は家族を作れない、つまり「愛することを封じられた」人間なのです。けれどこのルートで彼は、明確に「京一郎を愛した」のです。「愛」だなんて、千家は死んでも口にしないでしょうけどね()

 

END3

千家が腕を切って死に、その腕を京一郎が付け替えて、千家の遺志を継ぐエンドです。これもかっこよかったな~。京一郎が立ち上がった時に千家のBGMが流れたのが良かった。千家は京一郎で、京一郎は千家。2人で一つなのです。

ところでこのシーン、神学校のオーガスト神父を思い出したオタクは多い気がします。崖から落ちて、助けようとする相手を巻き込むまいと、自ら腕を切って死ぬ。うつくしいですなぁ……。(臣の口調が移った)

 

END4

京一郎が死に、阿傍反魂術で生き返って、死霊として千家に飼われるエンドです。

京一郎は時々記憶をなくして残忍になります。薫と同じパターン。でも京一郎は自分の残虐性に気づいていないのか、あるいは気づいていながらそれを楽しんでいるのか、人を殺して遊んでいます。千家も「しょうがないなぁ」という感じ。どこがしょうがないねん。

それでもたぶん当人たちは幸せそうですから、もういいのです。千家ルートはこの心の痛みを楽しむものなのです。(洗脳済)

 

うん、こうしてみるとやっぱり千家ルートは「同体」がテーマだと思います。2人が一つに溶け合う、というエンドが多いので。

最高です。ありがとう千家伊織。千家伊織のために腐女子全員メビライをプレイしてほしい。

 

 

■ミサキ

 

謎めいた高等遊民。並外れた異能。彼ははじめからどこか不思議な存在でしたが、その正体は、京一郎の刀に宿った桃の木の精霊。かつてイザナギを救った神様でした。

 

桃色の柊がとてもきれいでしたね。ラストシーン、皇后に向かって祝詞を唱えるとき、2人が包まれていたあの柊。

 

柊も、桃も、鬼を払う。ふたりとも生来純粋な善だったんですね。千家とは大違いです。ミサキが神様であることも相まって、神々しい場面の多いルートだったように思います。

 

そういえばミサキルートは京一郎が腹切って感じてるのがちょっと面白かったです。自分が刀の鞘になることで何かの官能を感じ取ったんでしょうか。切腹とエロスが結びつく作品もなかなかあったもんじゃありませんよ()

 

 

■天司

 

ショタコンをも拾ってくれるのがメビライです。天司様って何歳だっけ?13歳?ともかく私が大好きなお年頃。声もかわいかったね。私のボイコレには彼の台詞がいっぱいですよ~~

 

さて、彼はちょっと人間離れしてる達観少年。あの年齢で母親に疑いの目を向け、国を憂う賢さには、あまたのショタを嗜んできたショタコンもビックリです。だてにすめらぎの血を継いでない。

 

でもそれにしたって酷すぎます。だって母親が蛇のあやかしで、兄にしか愛を注がず、父親のために国民を燃やし尽くしたんですよ。どんな毒親だよ。

 

天司も影宮くらい学がなければ苦しまずに済んだのでしょう。親がどれだけ非道でも、バカなら善悪の区別がつかないから。彼は賢く生まれてしまったが故に哀れな運命をたどるわけです。

 

彼に館林がいてよかったと思います。彼が唯一子供としてふるまえる相手ですから。

 

天司様に幸あれ。

 

 

■皇后

 

ああ、狂女……。

本作の黒幕は彼女でしたね。

 

でも私は皇后も結構好きです。あの禁上陛下へのすさまじい愛。どろどろになった天皇を、それでも彼女は抱きしめました。

実は私がメビライで一番気に入っているスチルは皇后が地獄へ渡るシーンのやつです。綺麗すぎ。なんなん皇后のくせに、、、。

 

ところでこれは余談なんですが、皇后と時任って明らかに対比されてませんか?どちらも子を持つ母であり、最愛の夫を亡くして、たった一人で世界と戦っている。どちらも、夫をこの世へ呼び戻すことに情熱を注いだ。

 

境遇も願いも全く同じである彼女たちは、それでもたどる運命を大きく分かちました。私も同じ女として、彼女たちに思いをはせずにはいられません。

 

彼女たちの違いは、誰が一番大切なのか、自分の生の重心をどこにおくかだったのだと思います。皇后の場合、何よりも大切にしていたのは自らのエゴイスティックな愛だった。一方で時任は、夫と子供だった……。のではないでしょうか。

 

正しく清らかなのは時任だと思います。でも私は、皇后を単なる悪として切り捨てることができません。ばけものになってしまった夫を、それでも心から愛し、彼とともにいるために地獄へと渡っていった彼女を。

 

この気味が悪いほどに美しい愛は、陰宮との淫靡な関係性の説明にもなります。皇后は影宮を「器」として、つまりは「天皇の身体となるもの」として見ていた。影宮を通して愛する天皇を見ていたわけです。本当に気持ち悪いけど、本当に美しい。

これだからボブゲはやめられないぜ。

 

 

■まとめ

 

千家伊織は宗教~~!!!!!

 

 

PS

ところで「メビウスライン」って結局なんだったんでしょう。

メビウスといえば、表と裏があいまいになるあの「メビウスの輪」。調べてみたら、「輪廻が陰陽の繰り返しである」ということを示しているそうです。祝詞の「陰陽円かにて」という一節が思い出されますね。

 

ここから推察するに。

 

たとえば、キャラクターそれぞれが自分の正義を持っていて、京一郎の善悪が次々に入れ替わること。

たとえば、人と人とが絡み合い、複雑な関係性をつくりだしていること。

 

この作品を通して、私たちは生きることと死ぬこと、そのなかで紡がれる善悪の糸について考えるのです。

天命に生き、そして死ぬ。プレイしてはじめて、私たちはこの言葉の重みをかみしめるのです。

咎狗の血 感想

一気に走り抜けました!咎狗の血

もともと「ボブゲ界の伝説」と聞いていたので勢い込んでプレイしたのですが、確かに2005年発売とは思えぬ完成度でした。作りこまれた世界観、美麗スチル(ほんと綺麗で魅入る)、豪華声優陣、上品なBGM……

そして何よりシキ様がかっこいい!咎狗未プレイの淑女各位にむけて、シキ様のために購入しましょうと叫びたいくらいです。

あ~ほんと、かっこよかった。(詳しくは後述します)

 

 

■ストーリー

舞台は第三次世界大戦後の日本。

日本は左右に分断され、かつての首都・トシマ(旧トウキョウ)は戦火にさらされて荒廃し、麻薬犯罪組織ヴィスキオの統治下で無法地帯となっていた。

主人公アキラはストリートファイトの強者であることから、なかば脅しに近い形でトシマに送り込まれ、ヴィスキオのトップ・王(イル・レ)を倒すことを命じられる。アキラは自らの命をかけて、ヴィスキオが執り行っているゲーム「イグラ」で勝ち残り、王への挑戦権を得なければならない……。

 

というストーリーなんですが、厨二感がすごい。世界観に馴染むまでちょっと時間がかかりました。

でもちゃんと細部まで作りこまれているので、噛むほどおいしい!ってやつかも。

 

以下、ネタバレてんこもりです。

 

 

 

 

 

 

■アキラ

初期アキラには殺人に快楽を覚えそうな危うさがあったので、私はてっきり「サイコパス主人公が倒錯した性にのまれていく」的BLかと思ったんですが、全然違いました。(それはそれでおいしいけど)

この物語は、いわばアキラの成長譚なんですね。「生にも死にも意味なんてない」とどこか諦めていたアキラが、人を信じ、愛し、生に意味を見出すまでを描いたストーリー。誰一人寄せ付けない一匹狼だったアキラが、次第に周囲へ心をひらき、誰かを守りたいと願うさまには愛しさすら感じます。

これはツイッターでもちょっとつぶやいたんですが、これまで誰とも深くかかわってこなかったアキラは、人間関係構築スキルがゼロなんです。いわばベビー、世界を知らぬまっさらな赤ちゃん。もちろん恋愛のれの字も知らないヒヨッコです。

だからこそ彼は、はじめて抱いた誰かへの愛情を素直に受け止めます。「愛」を友情とか恋情とかいう既存の型に押し込めず、「この人のそばにいるのが心地いい」「この人が愛おしい」って気持ちをそのまんま認識している。だからBLも自然に成り立つのかな、と思いました。

 

アキラは作中でも顔がいい設定なんですが、ほんとに顔がいい。パッケージのアキラとかもはや芸術の域じゃないですか?顔がいい……。

あと声がいい。もともと先割れスプーンさんは大好きなんですが、咎狗やってさらに好きになりました。甘さと渋さのブレンド具合がじんわり耳に染みゆきます……。

 

 

■ケイスケ

いやお前誰だよ!!!!!

って叫びたくなったキャラクターNo.1、それがケイスケです。いや、豹変しすぎでしょう。お前誰だよ。

最初はあまちゃん幼馴染だと思っていたので、ずっとイライラしていました。いやなんのためについてきたんだよ、帰れよ、って。でも覚醒後のケイスケはぶっとんでて割と好きでした。幼少期から恋焦がれてた相手に殺意むき出しってアンタ……。こじらせすぎ。なんか腸とか引っ張り出してるし。

ぶっとびすぎてケイスケルート以外では必ず死ぬのがちょっと不憫でした。でも彼が死ぬことでアキラは大きく成長するし、きっとアキラの胸から幼馴染を失った痛みが消えることはないので、無駄な死ではないのだと思います。

 

ケイスケの二面性に関連して、これはきっと百億万回は言われてると思うのですが、ケイスケの声を担当されている何武者さんがすごすぎました。彼のすごさはもともと知ってたんですが、改めて思い知らされた気分です。ケイスケ(気弱)とケイスケ(鬼畜)の温度差には思わず笑っちゃいました。

 

 

■リン

兄であるシキの謀略によりチームの仲間を殺され、生き残ったメンバーに裏切り者の烙印を押されたリン。憧れていた兄に陥れられ、大切なものをすべて奪われ、人を信じることに憶病になってしまった悲しい少年です。でも普段は明るくふるまっています。初登場時に「残念でした~、ついてま~す」って下品なジョーク飛ばすからねこの子。正直このセリフが来た時、なんで咎狗にはボイスコレクション機能がないんだって頭抱えました。

 

アキラが珍しく攻め。

正直めっちゃ萌えました。キャラ萌えというかシチュ萌え。だってリンてば、アキラを殺そうとして本気戦闘繰り広げた後にセックスするんだもん。

個人的な性癖の話になるのですが、BLの醍醐味のひとつに「拳を交えた相手とセックスできる」っていうのがあると思うんです。男女だとやっぱり、物理的な力の差があるじゃないですか。女戦士とかを除いて、男女で本気の殺し合いってなかなか難しい。

でも男同士は違います。体一つで殺し合いが出来る。殺意という激情に身体を委ね、そのままぶつかり合うことができる。そしてセックスも本質は同じです、性欲に身を任せて、相手にぶつかっていく行為です。BLはこれを同時展開できるのがすごいと思うんです。殴り合って、セックスして、身体も心をぶつかり合って。そうしてはじめてお互いの深いところまで理解できるなんて、ロマンじゃないですか。

リンルートは、殺し合いとセックスが同じ世界軸で展開されるので最高でした。もちろん他ルートにもそういう側面はあるのですが、ケイスケはラインでイっちゃってるし、シキは力が圧倒的過ぎて対等な感じがしないので、ちょっとこの議論とは別の萌えかな。

暴力が一番琴線に触れた、リンルートでした。

 

そういえば、シキルートでリンが殺されるのが可哀想でした。シキ様大好きだけど、リン不憫……。全員幸せになれるルートがないのも咎狗のシビアで面白いところかも。

 

 

■源泉

初登場時、反射的に「攻略したい!!」と思ったのですが普通に攻略対象で思わずガッツポーズ。ただ攻めだったのが意外でした。咎狗発売当時オッサンは攻めになることが多かったのかな? 長らく商業BL沼にいたせいで「おっさんは受け」という偏見が刷り込まれてました(それはそれでどうなんだ)。でも源泉攻めも結構おいしかったです。

気のいい情報屋のオッサンです。アキラを息子に重ね合わせるくらいの年齢。セックスしたあともアキラに「おっさん」って呼ばれててちょっと可哀想でした。もとみって呼んでやれよ……。確かに読みにくいけどさ。

源泉に対するときのアキラは子供っぽくてかわいかったです。達観しているようでいて、アキラも10代の男の子なんだな~とニヤニヤしてしまいました。源泉にからかわれて食って掛かっていく様子とか、もろティーン。かわいいなぁ。

一方で、源泉がアキラに対して欲を抱いていると自覚するシーンもめっちゃ最高でした。いつも飄々としてる大人の男が、性欲を前にして余裕なくすのほんとエロくて好きです。

まぁそんなわけで大人なので、このルートが一番安心して読めました。アキラが一番幸せになれたのもこのルートなんじゃないかなって思います。源泉の包容力すごいし、なんかプロポーズしてるし。

 

 

■シキ

シキ様~~~~~~~!!!あなたに出会えた瞬間、「あ、このゲーム買ってよかった」と思いました最高です。紅い瞳、絶対強者、声帯グリリバ、日本刀。あふれ出る強キャラ感がもうレジェンド。

冷血に見えるシキだけど、彼にも薄味ながら愛情はあります。だってリンを殺した後、シキはアキラにキスをするんです。彼ほどの人間でも兄弟を殺せば動揺するんだな、と思ったら胸がキュッとなりました。

そして彼はちゃんと人間なのです。シキがイグラを開催したのは自分の弱さに打ち勝つため。エゴの塊たるその行為は決して許されるものではないけれど、シキがnの喉笛に噛みついたとき、あぁ、この人も人間なんだなって、切ない気持ちになりました。

 

シキのエンドは全部で3つあるんですが、全部良かったです。1つずつ見ていきます。

 

①シキ放心エンド

シキが光を失うエンドです。nを倒すことで人生の目的を果たすものの、「君の負けだ」というnの台詞がきっと彼を蝕んだのでしょう、やがて彼は気力をなくしていき、最後には車いす生活を送ります。

他のエンドと違って、アキラがシキを守っているのが良かったです。切なくて優しいエンドだな、と思いました。

 

②バディエンド

ニホン統一直後にシキがクーデターを起こし、ニホンのトップに君臨するエンドです。アキラはシキの側近、国のNo.2になっています。

私はこのエンドが一番好きです。2人は独裁国家の絶対強者。シキとアキラが軍服を着て並んでいるスチル、性癖にぶちささりました。

このエンドでシキは「世界の覇者となる」と言い、シナリオは「シキにはそれを実現しうるカリスマ性がある」的なことを語るんですが、個人的にそれは無理だと思います。シキ達がやっているのは恐怖政治なので、必ずどこかで破滅する。シキの統治するニホンは潰れる、それは避けられない未来なのだと思うんです。

けれどいつか訪れるその瞬間も、シキとアキラは手を握り合っているのでしょうね。最強のバディ、誰より信頼する相手。何者も切ることが出来ない強い絆が感じられるので、本当に美しいエンドだと思いました。(ここまで妄想)

 

③性奴隷エンド

シキがトシマのトップになり、アキラが彼の性奴隷になるエンドです。ん~、なんとなく奴隷と書いたけど、愛人というほうが近いかも。

このエンドのアキラ、完全にイっちゃってます。城内の誰もがアキラの色気に充てられるほどエロスの権化になってます。しかも本人もそれを自覚していて、あえていろんな人を誘ってセックスして、シキにおしおきされるのを楽しんでいる始末。

一番退廃的なエンドでした。たぶん分類的にはBADENDなのでしょうが、私的にはGOODENDでした。性癖。

 

 

■n

ナノのことを救えたのは、同じ境遇に置かれたアキラだけだったんでしょうね。エマも彼を救おうとしたけど、それはきっと間違ったやり方だった。

感情を失ってしまった彼は本当につかみどころがなくて、あんまり感情移入もできなかったかも。でもナノに肩入れするアキラの気持ちは分かりました。研究機関にからだをいじられ、望まぬまま呪われた血を宿してしまった者同士、寄り添いたかったのでしょうね。

できるなら、ナノとエマの前日譚が読みたいです。なんならグエン視点でも可。グエン→エマ→ナノっていう構図、正直たぎったからさ。咎狗は結構いろいろ展開してるらしいけど、公式からそういうSS出てないのかなぁ。

 

 

***

 

 

咎狗、楽しかったです。

作画崩壊で有名なアニメもいつか見てみたいなぁ。

ブログはじめました

はじめまして、こんにちは。琉乃と申します。

ボブゲが楽しくてブログを開設しましたが、いきなり感想記事を投げるのもどうかと思うので、きっと誰も読まないであろう初記事を挙げときます。

 

自己紹介。

基本的には商業BL沼の人間ですが、気まぐれにやった「Room No.9」によってボブゲ沼に突き落とされました。

まだプレイ本数5本のヒヨッコプレーヤーですが、楽しく開拓していきたいなとおもっています。

 

どうせ誰も読んでないので超適当な挨拶になりました。

すいません。

 

宜しくお願いします。