半透明の欲望

BLゲームの感想メインに徒然綴る。

DRAMAtical Murder 感想

フルコンしました!卒論やら内定者課題やら資格試験やらですんげ~~チマチマ進めてたけどようやく、ようやくフルコンしました!!楽しかった!!
キャラクターごとの感想をつらつら書いていこうと思いますが、その前にまずはあらすじを。


■あらすじ
今よりずっと先の未来。日本列島の南西に位置する碧島。かつてそこは自然と人々が共存する豊かな島であった。
しかし日本有数の財閥の1つである「東江財閥」によって買い上げられ、島の約3分の1が豪華な会員制娯楽施設「プラチナ・ジェイル」へと姿を変えた。最新鋭の設備を備えた「プラチナ・ジェイル」が注目を集める一方、強引な開発の犠牲となった島民たちは「旧住民区」に追いやられ、決して裕福とは言えないその場所での生活を余儀なくされていた。
主人公・蒼葉はその旧住民区にあるジャンクショップ「平凡」でのアルバイトに日々を費やし、祖母のタエと二人で暮らしていた。
旧住民区の若者たちの間では、とあるゲームが流行していた。かたやチームを作り、肉弾戦での縄張り争いを日々繰り広げる「リブスティーズ」と、かたや仮想世界を舞台にした電脳オンラインゲーム「ライム」に熱狂する「ライマー」。だが、蒼葉はそのどちらにも興味を示すことなく、ただ婆ちゃんとのんびり暮らせればそれでいいと思っていた。
しかし、平穏な日々を揺るがす異変は確実に起こりはじめていた――。
公式HPより)

世界観の作りこみはさすがのニトロクオリティ。ゲーム構成が緻密に練られていて、大量に張られた伏線が綺麗に回収されていくのがとても楽しかったです。アニメみたいに動くところも沢山あって、本気で作ってんな~というのがビシビシ伝わってきました。
 本記事では、各ルートの感想をつらつら書き連ねていきます。
 ※乱文&ネタバレ満載のため、未プレイの方の閲覧非推奨。

 

 

 

 

紅雀
 紅雀ルートにおける個人的ハイライトは2つ。
 まずはなんといってもショタスチルです。ショタコンは不意打ちショタ攻撃に弱いのです。闇属性のモンスターが光属性の必殺奥義を食らうようなものです。闇属性モンスター、もとい、重度のショタコンのわたしは突如表示されたショタ蒼葉&紅雀くんに「デュフ…」とうめき声を漏らしました。蒼葉のほうがちょっと幼いのもポイント高いです。紅雀のお兄ちゃん感と蒼葉のあまえんぼ感がたまりません……。
 それと、このスチルで「紅雀が蒼葉を支えてあげていた」という印象をつけておきながら、あとのシーンで「蒼葉こそが紅雀を支え、生かしていた」と分かるのがもう、ほんとニクイ演出でした。刺青に蝕まれ家族殺しの罪を負った紅雀でしたが、彼をこの世につなぎとめたのは蒼葉への想いだったのです。尊い
 もう一つのハイライトはBADEND。蒼葉の身体が暴露蒼葉にのっとられ、紅雀は刺青に飲み込まれてしまう最悪ENDです。理性を吹っ飛ばした2人のセックスは、本能だけで生きる獣じみたすさまじさがありました。このトチ狂った闇展開、めちゃくちゃおいしかったです。
 ちなみにGOODENDのほうはというと、終わり方そのものはまぁ普通かなって感じです。それよりENDに向かう途中の演出が好きでした。蒼葉が「いいよ」って畳みかけるシーンがあるんですが、じれったくてエンターキーを連打していたらバグった映像データみたいになって「やられた…!」と思いました。プレイヤーの動作までも演出に組み込むなんて、マジニトロクオリティ。

※オマケ 竜峰
紅雀ルートに登場する、狂った刺青師・竜峰。彼まわりの設定は谷崎潤一郎の「刺青」をフィーチャーしていると思います。刺青によって人格が変わってしまったり、理想とする人間に刺青を掘りたい衝動があったりとか。
このゲームのテーマの一つは「善悪の揺らぎ」――「善」と「悪」は確定的基準で定められないこと――だと思っているのですが、谷崎が描くのも悪事めいた行為の美しさです。
谷崎大好きオタクとしては、竜峰の思想に興奮するばかりでした。


●ノイズ
 全っ然かわいくね~!と思ってたのにいつの間にか好きになってました(ボブゲあるある)。生まれつき痛覚がなく、それゆえに他人との距離が測れず孤独に生きてきたノイズ。彼がライムを始めたのは痛みを知るためでした。これ、個人的な解釈なんですが、痛みを知りたいという欲求は、それによって誰かと関わり、誰かとともに生きたいという欲求にも繋がっていたと思うのです。ノイズの痛覚の欠如による一番のデメリットは「孤独」ですから。
 けれどノイズはライムでも一人で戦ってきました。それは、彼が「心の痛覚」をも鈍らせてしまっていたからではないかと思うのです。痛覚を知らずに世界から分断されてしまったために、自分の殻に閉じこもり、外界から向けられる刃に傷つかないようにしてきたから。
 ノイズは蒼葉に出会って変わりました。彼に殻を「壊して」もらい、痛みを知りました。同時に、痛みを癒す優しさを、人と関わる温かさを知りました。蒼葉によって開かれた彼の世界は、蒼葉によってさらに広がっていきます。「アンタのこれからのこと、俺が考えるから」。ノイズが蒼葉に言った言葉です。プロポーズかよ。末永く幸せに暮らしてください。
 あと、ノイズはBAD②がとても良かったですね。蒼葉がノイズの脳内に囚われたまま、変わらない日常は続いていく、いつまでも……からの「End?」のテロップ。不気味すぎて鳥肌が立ちました。


●ミンク
 あんまり私の琴線に触れないキャラクターでしたが、悲しい過去に切なくなりました。彼の一族が持つ「体臭によって人心操作をする」という特異な能力が東江に目を付けられ、彼の一族は皆殺しにされてしまいます。ミンクは東江を殺すために生きているのです。
 蒼葉がミンクの意識に介入した時、彼に巻き付いていた鎖は壊せませんでした。けれど、「種」として植え付けられた蒼葉の言葉がミンクの中で育って、それが少しずつ鎖をほどいていったのではないかと思うのです。
最初は蒼葉に対して辛辣だったけどね。すぐ暴力ふるうし。でも「お前のすべてで俺を覚えろ、俺を見るたびこの痛みを思い出せよ」というセリフがめちゃくちゃ性癖でした。痛みに別のイメージが付与されるみたいな、パブロフの犬的展開大好き。


●クリア
 ドラマダの推しは誰?と聞かれれば、わたしは迷わずクリアと叫びます。癒しキャラでめちゃくちゃかわいかった~。ガスマスクの下には美しいお顔。そしてその下には人工的に作られた機械……。かわいい~!!
一番良かったのは目玉が飛び出して今にも壊れそうなのに「人間らしくあなたに触れることはできましたか」と声を絞り出すシーンです。私ノーサンのマキルートでも思ったんですが、死ぬ間際のセックスが大好きなんですよね……。生物の本能がむき出しになっている感じがたまらない。クリアはAIですが、それでも生物として蒼葉に触れ、交わろうとしました。彼はまごうことなき人間です。人間の心をもった生き物です。それを証明してくれるシーンでした。
 いっぽう、クリアのBADは正直ちょっと苦手でした。基本的にどんなBADもおいしくいただく腐女子なのですが、四肢切断だけはどうしてもダメで……。酷い目に合うなら蒼葉よりクリアのが見たかったな、なんて。


●蓮
 ただのイケボワンチャンだとナメていたら隠しルートとして登場して噴き出しました。どうやってイッヌとセックスするねん、と心の中で突っ込みを入れざるを得なかったというか。
でも彼はわんちゃんではなく、蒼葉の中にいるひとつの人格でした。神学校の某ルートに構造が似ていますね。こういうのボブゲにはよくあるんでしょうか?私はてっきりセイ(蒼葉の双子のかたわれ)があちこちに飛ばした思念体の1つだと踏んでいました。だってそうじゃないとセイというキャラクターを設置する理由がないですから(脚本目線でプレイすな)。でも結局セイは最初から蓮の入れ物になるために作られたキャラクターだったんですね……。
 ……話がそれました。遺伝子操作された「デザイナーベビー(なんて気持ち悪い呼称!)」である蒼葉にとって、蓮は心のよりどころでした。蓮は蒼葉の一部だったけど、だからこそ蒼葉の一番近くで、彼のことを支えてきたのです。とはいえ自分(の一部)とセックスするのはどういう気持ちなんだろう?と考えなくはないですが、いわゆる二重人格者の話を聞く限り、まったく別の人格が一つのからだに宿っているらしいので、蓮は蓮としてひとりの男たりうるのだろうと思います。
 蓮は最終的にセイの身体になりました。この時の私は1人で大騒ぎ。「外観としては近親相姦じゃね?」と大興奮し、「いやいや中身は蓮だから違うよ」と冷静になり、「でも蓮はかつての蒼葉だから近親相姦以上に背徳的なのでは」と混乱し……。訳が分からないよ。
でも幸せならOKです。


※オマケ ウイルス・トリップ
 プレイする前は双子だと思ってました。違うんかい。そしてお前らがモルヒネの元締めなんかい。最高かよ。
 彼らに捕まって3Pに持ち込まれるルートめっちゃ好きでした。攻め2受け1の3Pってなんでこんなにおいしいんですかね?ウイルストリップルートもうちょっと沢山あっても良かったかなぁ、って思うくらい良いルートでした(分類的にはBADだけど)。


※オマケ 東江
 こいつはどうしてこんなにも人心操作がしたいんでしょうか。権力?名誉?いいえ、違います。彼はただ自分の信念を貫きたいだけ。自分の「信念」と、神が定めた「運命」を戦わせたいのです。
 備忘録的な感じで、彼が発見・発明した人心操作の方法をまとめておきます。

①暴露(スクラップ)
蒼葉の能力。自分の意識を相手の意識に介入させ、壊す。媒体は声。

②刺青
竜峰の能力。彫った相手の感情を増幅させ、意識を飲み込む。

③種を植え付ける
東江の能力。おそらく言葉によって、相手の意識や行動を操作する。暴露によって解除可能。(おそらくマインドコントロール

④薬草による体臭
ミンクの一族の能力。人を酔わせ、麻薬のように依存させる。

⑤光麻薬
セイの能力(視覚効果)を応用した技術。発光装置によって人を依存させる。

⑥染色音楽(ダイ・ミュージック)
聴いた人間の耳から脳へ浸透し、流した者の意思によって染め上げる。クリアが使用可能。

 ……このくらいかな。ところどころうろ覚えで書いてるので、漏れがあったり、間違ってたらすみません。


 以上!ニトロさん楽しい時間をありがとうございました。機会があれば、舞台の映像もいつか見てみたいなと思っています。
 次はドラマダのファンディスクをプレイします~!早くミズキを攻略したい(^^)